今まで気にしていなかった犬の口をある日クンクン…
「何!?うんこ臭いんだけど!!」
とびっくりすることがありますよね…
犬の口の中を嗅ぐことはそこまでないかと思いますが、健康管理をする上で口臭は重要!
口臭から発見できる病気もありますので、定期的に口臭もチェックするようにしましょう!
そこで、今回は犬の口がうんこ臭い原因や考えられる病気などを解説していきます!

目次
犬の口がうんこ臭い原因や病気の可能性
犬の口がうんこ臭いという事は腸内環境が悪い証拠と言えます。
腸内環境が悪いということは、食べた物を消化する働きが低下しているという事を意味しており、消化機能が低下すると、食べ物が体内で消化されず残ってしまうので口臭がきつくなったり下痢、最悪の場合は食糞行動にまで至ってしまうことも…
この状態を放置しておくと、腸内の悪玉菌が増加し腸内に毒素が蔓延し、口臭だけではなく体臭もきつくなってくるでしょう。
毒素の影響で、腸以外の臓器にも負担がかかり、免疫力が低下し、癌・心臓病・アレルギー症状・痴呆症など命に関わる状態に陥ることにもなりかねません。
そして、中には腸閉塞を起こしている可能性も。
異物を飲み込んだり、腸に腫瘍ができて腸管が塞がってしまう状態で、緊急手術を行う必要がある怖い病気です。
腸閉塞を起こしている場合、嘔吐をすることが多く、吐いた物に便の臭いが混じっている際はすぐに病院へ連れていくようにしましょう。
うんこ臭い以外の口臭はどんなニオイがある?
犬の口臭はうんこ臭いだけではなく、様々なニオイを発します。
ニオイによって潜んでいる病気が違いますので、ニオイ別にどんな病気が考えられるのか解説していきます!
生臭い・魚臭い
犬の口の中は通常唾液で潤っていますが、口腔内の水分が不足すると唾液が粘っこく濃縮されて口臭の原因になります。
水分摂取量が少なかったり、鼻炎などで鼻づまりになったりと常時口を開けている状態では、口の中が乾燥して唾液が濃縮され生臭いニオイや魚臭いニオイを発します。
健康な犬でも、暑い季節は体内の熱を下げるためパンディングをする回数が増えます。
そうするといつも以上に口腔内が乾燥してしまいます。
ですので、夏はいつも以上の水分摂取が必要となるでしょう。
夏場限定で口臭が気になる場合は、水分摂取量が足りているか、室温が適切かどうかなどチェックしてください。
腐敗臭
犬の口臭原因として一番多いのは、歯周病です。
歯周病は、歯肉だけが炎症を起こす歯肉炎とは違い、歯や歯の周囲にあるじん帯、歯を支える骨にまで炎症が起こることがあります。
犬は人間に比べ、歯垢が歯石に変わるスピードがとても早く、歯石の上に歯垢がさらに付きやすくなるという悪循環が起こり、今では3歳以上の犬の約8割が歯周病を患っていると言われています。
歯周病になると、歯垢や歯石から発生するニオイや炎症により生じる膿などが腐敗臭のような口臭を発生させる原因になる場合が。
また、腐敗臭がする場合、口腔内腫瘍ということもあります。
これは良性腫瘍、悪性腫瘍扁平上皮癌、悪性黒色腫、繊維肉腫などに分けられますが、悪性腫瘍では口腔粘膜や歯肉のみならず、骨組織が激しく破壊されるため、歯周病同様、腐敗臭を発することがあるでしょう。
口腔内腫瘍の場合、口臭のみの症状だけではなく、犬自身の口周りの痛みや違和感による食欲低下、食べこぼしなどの諸症状が先行して現れます。
すっぱいニオイ・アンモニア臭
うんこ臭い場合も内臓疾患の可能性があるのですが、すっぱいニオイやアンモニア臭でも内臓疾患の可能性があります。
特に胃炎を患っている場合、胃酸の分泌が過多になっているため、嘔吐したり胃酸がこみあげてきたりし、それが原因で胃酸由来のすっぱいニオイを発します。
胃炎の原因としては、急性であれば感染症や異物、中毒などがあり、慢性であれば免疫、胆汁の逆流、別の疾患の二次的な症状などが挙げられるでしょう。
また、空腹時間が長くなることで胃酸過多となって嘔吐することもあります。
アンモニア臭の場合は、腎臓や肝臓が正常に働かないことで、通常は体の外に排泄される物質が体内に溜まり、独特のニオイやアンモニア臭を発することありますので、うんこ臭、すっぱいニオイ、アンモニア臭がする際は、内臓疾患を疑いましょう。
犬の口がうんこ臭いとき:適切な通院のタイミング
口臭は病気のサインである可能性が高いため、犬の口臭が気になったら早めにかかりつけの病院へ連れていくほうがいいでしょう。
しかし、早急に受診した方がいいケースと早めに受診が必要なケースに分かれていますので、それぞれ解説します!
早急に受診した方がいいケース
- 嘔吐がある
- うんこのニオイする
- 尿量が少ない
- 元気・食欲が明らかに減少している
これらの症状が見られた場合、腸閉塞や腫瘍など命を脅かす病気になっている可能性がありますので、夜間であっても救急病院へ連れていきましょう。
早めに受診した方がいいケース
- 口腔内が赤い
- 体重の減少
- 高齢
これらの症状がある場合は、様子を見ているうちにどんどん悪化して、命に関わるようなことになる場合がありますのでかかりつけの病院へ早めに連れていくようにしましょう。
犬の口臭対策:原因別に解説
犬の口のニオイは様々なパターンがあり、対策もそれぞれ違ってきます。
最後に、それぞれの対策法・予防法を解説します!
食べ物が原因
食べ物が口臭の原因となっている場合、食事内容を確認し、消化の良いペットフードを検討してみましょう。
消化不良や腸内環境の乱れから嘔吐や下痢をしやすい場合は、かかりつけの先生の診察を受け、食事のアドバイスを受けることをおすすめします。
場合によっては、整腸剤や犬用ヨーグルト、犬用サプリメントも考慮しながら腸内環境を整えてあげると良いでしょう。
内臓疾患や口腔内腫瘍が原因
内臓疾患や口腔内腫瘍が口臭の原因の場合は、原因疾患の治療が必要になりますので、かかりつけの先生の診察を受けるようにしてください。
歯石や歯垢、歯周病が原因
歯石や歯垢、歯周病が口臭の原因となっている場合は、動物病院で歯石除去を行ってもらいましょう。
歯石除去は無麻酔でハンドスケーラーを用いて行う場合と、麻酔下で超音波スケーラーを用いて行う場合があります。
ハンドスケーラーでは、硬くなってしまった歯石を取ることができないので、麻酔下で行う歯石除去が効果的。
愛犬の全身状態により除去法が違ってきますので、まずはかかりつけの先生に相談してみてください。
歯石除去を行ったからといって、そのまま放置しているとまた歯石や歯垢が付くことになってしまいます。
一度歯石が付いてしまった場合は既に歯周病になっていることが多いので、歯周病の治療と併せて毎日の歯磨きを欠かさず行うようにしましょう。
犬の口がうんこ臭い:まとめ
今回は、犬の口がうんこ臭い場合、考えられる病気などについて解説してきました。
ただの口臭と捉えるのではなく、犬の口のニオイが病気になっている可能性が高いので、十分注意して見る必要があります。
特に、すっぱいニオイ、アンモニア臭、うんこ臭いなどが気になった場合は内臓疾患の可能性がありますので早急に受診をおすすめします。
犬は人間のように自分で歯磨きを行うことができず、「痛い」などの言葉を発することもできません。
そのため、飼い主さんが毎日の口腔内チェックと歯磨きが必要になるのです。
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