犬と一緒に暮らしていく上で社会のルールを教えるしつけは飼い主さんの大切な役割です。しかし、いざしつけを行おうとしてもなかなかうまく進めることができずに困っている飼い主さんもいるのではないでしょうか?
特に部屋の中の家具を噛んでボロボロにしてしまったり、舐めてはいけないところをずっとなめているなどの「舐めぐせ」がついてしまうと困ってしまいますよね。そんな舐めぐせにレモン水が有効だと言う話を聞いた方もいるのではないでしょうか?さらにはダメなことをした時にレモン水をかけてしつけるという方法も見かけます。
確かにペットショップなどには犬は酸味を嫌うため、レモン水の舐めて欲しくない場所にスプレーをすることで舐めるのをやめさせることができるというグッズも販売されています。犬にレモン水を使ったしつけが有効なのか筆者の実体験を交えながら紹介していきます。

目次
犬のしつけにレモン水は有効?
結論から言ってしまえば、レモン水をかけたからと言って舐めることやその行動を完全にやめる可能性は低いです。レモン水をかけられた時にびっくりして一時的に舐めたりすることをやめることはあるかもしれませんが、根本的な解決にはなりません。
さらになぜレモン水をかけられたのか正しく理解することができないままでは、レモン水をかけられたことがトラウマになり「嫌なことをされた」という悪いイメージだけが愛犬に残ります。
ただ飼い主さんに嫌な思いをさせられたということしか感じずに飼い主さんに対して不信感を抱いてしまうと、これまで築いてきた信頼関係が崩壊するきっかけにもなります。
また、犬がレモン水の酸味を嫌がるかは個人差があります。一般的には犬は酸味が苦手であり、酸っぱい臭いを嫌がるとされていますが、蜜柑などの柑橘類を好んで食べる子もいます。レモン水にもだんだんと慣れてきて、徐々に効果が薄くなってしまうこともあります。
しつけの方法はその子によって千差万別であり、愛犬にレモン水を使用することでしつけの成功率が上がるかどうかを検討した上で使用するようにします。
レモン水は犬に与えても問題ないのか?
そもそも酸味を嫌がる犬に対してレモン水を使用しても問題ないのか、レモン自体犬に与えて大丈夫なのか気になる飼い主さんもいるかと思います。レモン自体は犬に与えても害はありませんが、レモン水作る時にはいくつかの注意点があります。
第一に、レモンの果汁を原液で使用することは避けましょう。レモン果汁の原液は犬の身体には、酸味が強すぎて負担が大きくなり、誤って目などに入ってしまうと場合によっては視力低下や目を傷つけてしまう危険があります。必ず水で薄めたレモン水を使用するようにしましょう。
また、レモンの皮や白い薄皮は犬の消化不良の原因になるため取り除いてから果汁をしぼるようにします。皮に含まれる「ソラレン」という成分は紫外線に当たることで有毒物質に変化するため、皮などは取り除いてからレモン水を使用して愛犬の顔に直接レモン水をかけることは避けましょう。
さらには、市販のレモン果汁は人が食べやすいように添加物などで手を加えらている可能性があります。市販のレモン果汁などは使用せずに、生のレモンを絞ってレモン水を作るようにしましょう。
レモン水を作ったら2〜3日のうちに使い切るようにするか新しいものに変えて使用します。酸化したレモン水は下痢などの原因にもなるため使用しないでくださいね。
レモン水を作ることが負担な場合には、ペットショップで販売されている酸味や苦味を感じるしつけ用スプレーの購入もおすすめです。自分の愛犬にレモン水やしつけスプレーが有効かどうか見極めた上で実践するようにします。
犬のしつけにレモン水:効果的な使用方法
具体的には犬にレモン水を使用してしつけを行うためにはどのように実践すれば良いのでしょうか?
基本的には愛犬が床を舐めたりダメな行動をした時にレモン水をスプレーでかけて辞めさせます。家具などをかじってしまいそれを辞めさせたい場合には、家具自体にレモン水をかけておくのも有効です。
一つ注意したいのは、家具などに直接レモン水をかけることによりレモン果汁の酸により腐食したり破損の原因になる可能性があります。家具やその場所の素材がレモン水をかけても問題がないかチェックしてから使用するようにしましょう。
犬にレモン水を使ってしつけをする時には、愛犬がダメなことをした際にレモン水をかけて辞めさせると同時に飼い主さんの声かけが重要になります。レモン水はあくまでもその行動を制する手段であり、根本的に解決するためには飼い主さんの態度と声かけにより愛犬に理解してもらう必要があります。
人の場合でもダメな場所に行って欲しくないからとその場所に荷物を置いたり、囲いをしただけでは伝わりませんよね?
相手に分かる様に立ち入り禁止などの貼り紙が貼られていて初めてその意図を理解することができます。犬の場合には、文字を読むことができませんのでダメな行動をした際にはレモン水をかけてきっかけを作り、「ダメ」と愛犬に言葉で伝えることが重要です。
大切なことはレモン水やしつけスプレーはきっかけであり、頼りすぎないことです。しつけには根気がいりますが、愛犬がその行動を少しでもやめることができたならばよく褒めてあげましょう。信頼関係がきちんと確立していれば正しいことを愛犬が理解してくれ、徐々に問題行動は減少していきます。
もう一つのポイントは短くやめさせたい行動をした瞬間に「ダメ」と伝えることです。後になってダラダラとダメでしょ!と怒っても愛犬は何がダメだったのか理解できずに飼い主さんに怒られたと嫌な思いをするだけになります。
上でも触れましたかまだ嫌なイメージだけが愛犬に蓄積されてしまうと飼い主さんに不信感を抱き、信頼関係が崩壊してしまうきっかけにもなります。間違ったしつけにより今まで築いてきた信頼関係が崩壊してしまっては、これからの生活にも悪影響であり双方にとっても良い影響はありません。
しつけがうまくいかないと焦りからイライラしたりついキツく叱り付けてしまうこともあるかもしれませんが、おおらかな気持ちでしつけを行うことが大切です。愛犬の性格を把握した上で愛犬のペースに合わせてしつけをしていくことが大切になります。
実体験!愛犬のしつけにレモン水を使った効果
レモン水を使用したしつけについて紹介してきましたが、実際に筆者もレモン水を使用してしつけをした経験があります。
筆者は当時2歳になるゴールデン・レトリバーを飼っていたのですが、遊び盛りな愛犬が机の脚を噛んでボロボロにしてしまうことに悩んでいました。そこで犬は苦味や酸味が苦手であると知り、早速机の脚を噛もうとした際にレモン水を愛犬の顔の近くにスプレーしてみました。
結論から言えば最初こそびっくりして噛むのをやめましたが、レモン水のスプレーから飛び出す霧が楽しくて逆にテンションが高くなってしまい、私の愛犬には新しいおもちゃと認識されてしまい効果はなかったです。
しかし机の脚を噛もうとした際にスプレーと同時に「いけない!」とダメであることを強めに伝えていくのを根気強く繰り返していきました。そして噛む前に少しでも止めることができた際にはたくさん褒めておやつやおもちゃを渡しました。
「いけない」というワードを決めて叱るときのワードは統一することが大事です。
素早くその瞬間にいけない!と繰り返し、成功したらおやつやおもちゃを与えながらたくさん褒めるうちに「机の脚を噛まなければ褒めてもらえる」「楽しいことがある」と理解するようになりこちらに注目してくれるようになりました。徐々にですが、机の脚を噛むことをやめさせることができました。
結論:犬のしつけにレモン水は、向き不向きあり
犬にレモン水を使用してしつけることはしつけ方法として有効ですが、犬により向き不向きがあります。さらにはレモン水はしつけに取り組むきっかけや手段であり、完全に問題行動を制御する効果はありません。
愛犬の性格にあわせながら上手くレモン水を活用して計画的にしつけを進めていきましょう。しつけの基本は飼い主さんとの信頼関係の構築が大切です。
愛犬と密にコミュニケーションをとりながら絆を深めて楽しくしつけに取り組むのが理想です。
犬のしつけ関連記事
- ポメラニアンの成犬をしつける!元飼育員が4つのコツを解説
- 犬のしつけには苦いスプレーがおすすめ!最新人気アイテムを一挙公開
- 犬の本気噛み対処法:子犬の遊び噛みのやめさせ方もご紹介します
- 霧吹きを使った犬のしつけは無駄吠えに効果的?答えはNO!
- 犬が留守中に吠えるときのしつけ方法:理由は分離不安
- 今日から実践!ビビリ犬にしつけをする重要ポイント2つ
- 犬のしつけで優先順位が高い3つのポイント【シーン別に解説】
- 犬がドッグフードを食べない!これってわがまま?対策方法を解説!
- 子犬の離乳食の進め方。食べない場合の対処法も解説!
- 子犬が来たばかりでご飯を食べない!原因と対処法6つ
- 玄関のチャイム吠えを直したい!犬をしつける方法と理由を解説!