ふわふわの被毛とくりくりした瞳が愛らしい容姿のポメラニアンは、日本でも人気の犬種です。ポメラニアンは、まるでぬいぐるみのようなその容姿と成長しても4キロ前後にしか成長しないサイズ感からも人気があり、賃貸でも飼育可能です。
そんな可愛らしいポメラニアンですが一つ注意したいのは、小型犬特有の警戒心の強さがあり縄張り意識の強い犬種です。子犬のうちから様々なことに慣らしておく社会科が必要でありしつけは早いうちから取り組むことがベストです。
しかしポメラニアンの成犬を里親として引き取ったり、新しく家族として成犬のポメラニアンを飼い始めるケースもあります。本記事ではポメラニアンの成犬をしつけるためのポイントを紹介します。ポメラニアンに興味のある方やポメラニアンの成犬をしつけている方の参考にどうぞ。

目次
ポメラニアンの成犬のしつけ:犬種の特徴を理解する
ポメラニアンの成犬をしつけるためには、まずはその犬種の特徴を知ることが大切です。犬は細かい性格はその子により個人差がありますが、犬種特有の大まかな性格というものがあります。
これは子犬であっても成犬であっても言えることですが、その犬種の特徴を知ることによりしつけのリズムやパターンを決めていくことがしつけを早めに成功させるカギになります。ポメラニアンの特徴について紹介しますね。
ポメラニアンはポーランドとドイツの国境に挟まれたポメラニアン地方で作出された犬種であり、現在ではドイツ原産の犬とされています。
サモエドなどのスピッツ系の品種を掛け合わせて生まれたポメラニアンは愛玩犬として現在まで人々に愛されてきた犬種です。そんな愛玩犬として重用されてきた歴史から人好きな子が多く、友好的で愛情深く飼い主さんに接します。また、陽気で遊び好きな面があり飼い主さんと一緒に行動することになにより喜びを感じる犬種です。
一方で飼い主さんに依存傾向になる子も多く、飼い主さんがそばにいないと不安と寂しさから激しく吠えてしまう子もいます。さらには小型犬特有の警戒心の強さや縄張り意識の高さもあり、社会科ができていないと他人や他の犬に対して攻撃的になるケースもあります。
環境の変化にも敏感なポメラニアンは少しの変化でもストレスを感じやすく、下痢や嘔吐などの体調不良になる可能性もあるので注意が必要です。さらには遺伝的な脱毛の疾患が起きやすく、ストレスが起因して脱毛症になる子もいるため愛犬の様子を観察しながら環境に慣れさせることが大切です。
そんなポメラニアンは好奇心旺盛で知性も高いので、飼い主さんと行動することが好きなことからしつけは入りやすい犬種です。
ポメラニアンの成犬のしつけ:無理をしない
上記でポメラニアンの犬種の特徴について紹介しましたが、それではポメラニアンの成犬に対してしつけを行う場合にはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか?
第一に子犬にしつけを行うのと成犬にしつけを行うのは、子犬にしつけをする方が楽ではあります。子犬はまだまっさらな状態のため飲み込みや教えたことを吸収するスピードも早く、スムーズにしつけをすることが可能です。
また、犬は1年間で人間で言う20歳前後まで急成長をして成犬になり、その後緩やかに歳をとります。そのためその子の基盤が出来上がる1年のうちにしつけを行うことが大切であり、成犬の場合にはその基盤がすでに出来上がった状態です。
人にも同じことが言えますが、長年の習慣や性格は1日2日で変えようとしても身体に馴染んでいるため中々難しいものです。そのためポメラニアンだけでなく全ての成犬のしつけに言えることですが、その出来上がった基盤にあわせたその子のペースでしつけのベースを考えることが重要になります。
決して焦らずにゆったりとした気持ちで余裕を持ってしつけに取り組むことがポイントになります。
特にポメラニアンは警戒心が強い犬種ですので、無理矢理しつけを進めようとすると飼い主さんに対して不信感を抱いてしまい信頼関係が崩壊するきっかけにもなります。まずは信頼関係をきちんと構築した上で飼い主さんが頼れるリーダーとして振る舞うことがポイントになります。
しつけを行う上で大切なことは一貫した態度で臨むことです。飼い主さんだけでなく家族全員で同じ態度で取り組むことが成功のコツになります。
ポメラニアンの成犬へのしつけ:4つのポイントを解説
ポメラニアンの成犬のしつけにおいて焦りは禁物です。その子の個性を理解しながらゆったりとした気持ちでしつけに取り組むようにします。
ポメラニアンの成犬をしつけるコツを4つ紹介します。
①ゴールは高くしない
しつけにおいて1番大切なことは飼い主さんと一緒に社会で生きていく上で困らないように導いてあげることです。
しつけというとスワレやマテと言った動作をイメージする方も多いですが、成犬になってからこれらの動作を教えようとするとかなりの時間が必要になります。確かにスワレやマテができればご飯の時や散歩の時にメリハリをつけることができますので、愛犬にも伝わりやすいです。
しかし基本的なところで他人を攻撃しない、吠えかからないなど落ちついた行動をすることの方がトラブルを回避するためには重要です。成犬はある程度性格が出来上がっているため完全に吠えなくすること難しかもしれません。
ポイントは愛犬がそのような問題行動をおこす状況を回避するように飼い主さんが導いてあげることになります。
愛犬が激しく吠えたらサッとその場を離れて愛犬を落ち着かせたり、攻撃的に転ずる前に飼い主さんから他の人に声かけをして、ふれあいを中断させることが必要になります。ゴールは高く設定せずに同じ空間にいても気にならないようにする、など生活に支障がないしつけを目指します。
②感情的にならずに穏やかな気持ちで
成犬のしつけには根気が必要です。成犬は集中力も途中で切れやすく、短時間で終了してしまい思うようにしつけを進めることができないと感じる方も多いかもしれません。
なんでできないんだろう?と焦りがちになりついイライラしてしまうこともあるかもしれませんが成犬をしつける時にはグッとこらえて穏やかない気持ちで取り組むことが大切です。
さらに少しでも愛犬の様子に変化があり、前進したらたくさん褒めてあげます。褒められることにより、飼い主さんが喜んでくれることを徐々に理解するようになり、愛犬も飼い主さんの期待に応えようと行動してくれるようになりますよ。
③ふれあいを中心にしつけに取り組む
ポメラニアンはなによりも飼い主さんと一緒に過ごすことに幸せを感じる犬種です。飼い主さんと一緒に遊びを交えながらしつけを行うことがしつけを成功させるポイントでもあります。ふれあいを中心に愛犬の身体を撫でてあげながら優しい声のトーンでしつけにトライしてみましょう。
例えば外出先で激しく吠えてしまうことをしつけにより改善したいと考えている場合には、一緒にお出かけすることを楽しみながらまずは慣れ親しんだ散歩コースでしつけを行うようにします。
興奮して散歩に行くと吠えてしまうのか、人や犬に対して吠えてしまうかにより細かいしつけ方法は異なりますが、愛犬が吠えそうになった場合には、飼い主さんがすぐに声かけをして愛犬の身体をなで落ち着かせるようにします。吠えるのをやめない場合には静かにその場を離れましょう。
愛犬が飼い主さんの声に気づく距離まで離れて、こちらを注目してくれれば褒めてあげましょう。根気強く繰り返すことにより、愛犬は飼い主さんの存在を感じて安心して過ごすことができるようになります。
④プロにアドバイスをもらう
成犬のしつけには飼い主さんの根気と忍耐力が必要ですが、場合によっては飼い主さんだけでは限界なこともあります。無理にしつけを継続することは、双方にとっても悪影響になりより状況を悪化させる原因にもなるため注意が必要です。
そんな時はドッグトレーナーに依頼したり、しつけ教室に通ったりとプロに頼りアドバイスをもらうことが有効です。費用はかかりますが、外部から客観的に愛犬の状態を見てもらうことでしつけの計画も立てやすく飼い主さんだけでしつけに取り組むよりも確実に成果を得ることができます。
ポメラニアンの成犬へのしつけはゆったりと
成犬へのしつけは性格が出来上がってしまっている分時間がかかり、根気が必要です。特にポメラニアンは警戒心が強く、環境の変化にも敏感なためゆったりとした気持ちでしつけに取り組むことが大切になります。
その反面、ポメラニアンは飼い主さんやその家族と過ごすことがなによりも好きであり幸福を感じます。飼い主さんがおおらかに愛犬と遊びを交えて楽しんでしつけを行うことにより、確実に結果を出すことが可能です。
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