避妊手術で子宮と卵巣を除去すると、生理が来なくなったり、子宮や卵巣、乳腺の病気を防ぐことができます。赤ちゃんを産ませる予定がなければ、手術を考える人も多いのではないでしょうか。
ですが手術をするとホルモンバランスが崩れるので、太りやすくなるというデメリットもあります。適切な運動や、食事管理は愛犬の健康を維持する上で欠かせないことですよね。
今回は避妊後のドッグフードの選び方やおすすめ商品、健康維持する方法までお伝えしたいと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。

避妊後におすすめなドッグフード:術後の注意点
愛犬が手術をして帰ってきた…、傷も痛々しいし、エリザベスカラーをつけていたり、なんだか可哀そうな気持ちになってしまいますよね。わたしも愛犬が退院して自宅に帰ってきた日はものすごく過保護にしてしまった記憶があります。
避妊手術をすることによってホルモンバランスが崩れてしまい、太りやすくなる、食欲が増すことがあります。術後はおやつの与えすぎや運動不足に注意してあげましょう。
エリザベスカラーをつけているとごはんが食べにくそう…
術後の傷口を気にしてしまう場合は、退院する時に抜糸までエリザベスカラーをつけていてねと先生から言われることもあります。エリザベスカラーをつけていると、壁やテーブルの足にぶつかってしまったり、ごはんを食べたり、お水を飲むことが不自由になります。
愛犬がごはんを食べにくそうにしている場合は、食器の下にお菓子の箱などを置いて高さを出してあげてください。犬種によって高さが変わってくるので、愛犬に合った高さを見つけてあげましょう。
飼い主さんが手で持ち上げて高さを出してあげてもOK!
1度エリザベスカラーを外してしまうと、その後なかなか着けさせてくれなかった…なんてこともあるようです。可哀そうに見えますが、もし傷口をいたずらして糸が取れてしまった、傷口が開いてしまった場合は再縫合が必要になってしまうこともあるので、少しの間は愛犬と一緒にがまんしましょう…!
エリザベスカラーが邪魔になってしまって生活に支障が出ている場合は、獣医さんに相談してサイズを変えてもらうなど、愛犬にあったカラーを選びなおしてもらいましょう。
避妊後のドッグフードを選んでみよう:おすすめは?
では、どんなことに気をつけてドッグフードを選べば良いのでしょうか。術後に「太りやすくなる」ことに注目してお話しをしていこうと思います。
避妊用のドッグフードを食べさせた方が良い?
メーカーによっては、避妊手術をした犬用のドッグフードを扱っていることもあります。術後に太りやすくなるということで肥満犬用のドッグフードを食べさせた方がいいのかな?と疑問に思う人もいるかもしれません。
低カロリーフードを選ぶことも大切ですが、商品によってはカロリーを抑えるために小麦粉やトウモロコシなどの穀物を使用しています。犬は本来、肉食なので穀物の消化は苦手です。
小麦やトウモロコシで食物アレルギーを起こしてしまうこともあるので注意が必要。
低カロリーでも必要な栄養素がしっかりと含まれているドッグフードを選んであげましょう。大切な家族が毎日食べるものだから安心安全なものを与えたいですね。
どんな栄養素が入っていればいいのか
犬にとって必要な栄養素ってどんなものなんだろうと疑問に思いませんか。実は犬に必要な栄養素は人間とほとんど同じです。五大栄養素という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
優先して摂取したい栄養素は人間と犬では違いがあるので簡単に解説していきます。
迷った時は、「総合栄養食」と記載されている商品を選びましょう!
1.たんぱく質
犬にとってたんぱく質はとても大切な栄養素です。「良質な」たんぱく質は筋肉を維持したり、健康的な皮膚や被毛を作り出すためには欠かせません。
たんぱく質には、
- 肉や魚に含まれている「動物性たんぱく質」
- 大豆や小麦などに含まれている「植物性たんぱく質」
の2種類があります。動物性たんぱく質には、植物性たんぱく質にはない「必須アミノ酸」という体内では作り出すことのできない栄養素が含まれています。
体作りにはこの必須アミノ酸が欠かせないので、動物性たんぱく質が含まれているドッグフードを選ぶのが理想的です。
たんぱく質は摂り過ぎると消化しきれずに内臓に負担がかかったり、肥満の原因にもなります。摂り過ぎには注意しましょう。
2.脂質
生命維持に欠かせない栄養素で、体の活動に必要なエネルギーです。またビタミンの吸収を助けたり、「必須脂肪酸」が含まれています。
必須脂肪酸は不足すると毛づやが悪くなったり、皮膚炎になってしまうことがあります。
たんぱく質と同じで摂り過ぎると肥満の原因になるので摂り過ぎには注意しましょう。
特に子犬は体の成長に深く関わるので、しっかりと摂ってあげたいですね。
3.炭水化物
炭水化物は即効性のあるエネルギー源で、不足してしまうと疲れやすくなります。また、「食物繊維」が含まれているので、適量を摂取することによってお腹の調子が良くなります。
ただし、摂り過ぎは肥満の原因なのでこちらも注意が必要です。
4.ビタミン
犬に必要なビタミンは14種類とされていて、「水溶性」と「脂溶性」に分かれます。エネルギー源としてではなく、視力を維持したり、体の代謝を良くするなど、体調を整える役割があります。
水溶性ビタミン |
ビタミン(B1、B2、B6、B12)、ビタミンC パントテン酸、、ナイアシン、葉酸、ビオチン、コリン |
脂溶性ビタミン | ビタミン(A、D、E、K) |
体調を整えてくれるビタミンも摂り過ぎると、下痢、嘔吐など体調を崩してしまうこともあるので適量を守りましょう。
5.ミネラル
ミネラルもビタミンと同じで、体調を整える役割があります。必要とする量は少量ですが、欠かせない栄養素です。
特にカルシウム、リンは歯や骨の構成成分なのでしっかりと摂りたいですが、ミネラルもバランスが大切なのでかたよった摂取は禁物です。
ドッグフードの原材料にこだわってみる
ドッグフードといっても、数多くの商品があります。できるだけ高たんぱく低カロリーなもので、愛犬や飼い主さんのお気に入りのドッグフードを見つけてみましょう。
1.ラム肉
ラム肉とは生後1歳未満の子羊のお肉のことで、食物アレルギーや太り気味の犬にオススメです。ラム肉には必須アミノ酸、ビタミンB群、L-カルニチンなどがたっぷり含まれています。さらにラム肉のドッグフードは低カロリーなのもうれしいポイントですね。
L-カルニチンは基礎代謝をUPさせる効果があり、脂肪燃焼を助けてくれます。
2.鹿肉
犬の先祖はオオカミだともいわれていますが、野生のオオカミが好んで食べていたものが鹿肉だそうです。高たんぱく低カロリーな食材として人気があり、鉄分もたっぷりと含まれています。
また、アミノ酸も含まれていてストレスの軽減や疲労回復の効果を期待することができます。
3.魚
犬=肉と考えがちですが、意外と魚好きの犬も多いです。魚が原材料のドッグフードは、サーモン、タラなど(白身魚)、イワシなど(青魚)をメインに作られています。
サーモンにはアスタキサンチンという「抗酸化作用」をもつ成分が含まれていて、大切な愛犬をいつまでも若々しく保つ手助けをしてくれます。また、イワシなどの青魚には人間や犬が体内で作り出すことができない、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)がたっぷり含まれています。
DHAやEPAには、記憶力や集中力を維持したり、血液をサラサラにする効果があり、アレルギーの予防や改善の効果も期待できるので、太り気味の犬や食物アレルギーで悩んでいる場合は1度試してみてもいいかもしれませんね。
避妊後におすすめなドッグフード:一緒に運動もしよう
避妊手術をすると、今までと性格が変わってしまった、フードの好みが変わった、太りやすくなった、食欲が増したなどのお悩みが出てくるようです。愛犬の体調管理には食事は欠かせませんが、それと合わせて運動も積極的に取り入れてあげましょう。
ペットである犬たちは、自分の好きなタイミングで散歩へ出かけたり、好きなものを食べることもできませんよね。避妊後の肥満を防ぐためには飼い主さんが上手にコントロールしてあげてください。
散歩は犬の五感をフル回転させることができるので、運動不足解消に加えて、ストレス発散をすることもできます。
術後すぐの場合は抱っこで散歩へ出かけたり、庭先で日光を浴びたり、外の臭いを嗅ぐだけでもOK!
外に出ることができない…そんな時は?
術後すぐであったり、悪天候、そして新型コロナウイルスの流行によって思いっきり外で運動できない場合はどうしたらいいのでしょう。散歩へ行くことは運動に加えてストレス発散になると前述しましたが、家の中でもストレス発散をすることができます。
次の動画は「ノーズワーク」といって、専用のマットにおやつを隠し、それを探し当てるという遊びです。これなら自宅の狭いスペースでも一緒に遊ぶことができますね。
犬の得意分野「嗅ぐ」ことを使って思いっきり遊んであげましょう。
ノーズワークのマットは手作りすることもできるので、愛犬にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
避妊後におすすめなドッグフード まとめ
今回は避妊後のおすすめドッグフードについてまとめてみました。
- 避妊後はホルモンバランスが崩れてしまうため、太りやすくなってしまう
- 避妊後用のドッグフードを扱っているメーカーもある
- 犬は本来肉食、ドッグフードを選ぶときには主成分が小麦、トウモロコシの商品はできるだけ避ける
- 原材料にも、ラム肉、鹿肉、魚などさまざま。愛犬の好みに合ったドッグフードを見つける
- 迷った時には総合栄養食と記載されている商品を選ぶ
- 食事管理と合わせて運動を取り入れて、肥満対策をする
飼い主ならきっと大切な愛犬にいつまでも元気でいてもらいたいと願うのではないでしょうか。避妊後は犬の性格や体質、好みが変わったりすることもありますが、それも1つの個性だと受け止めて、一緒に毎日を過ごせたらいいなと思います。
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