いつ見ても寝ている犬を見て、「うちの犬よく寝ているけれど大丈夫なの?」「健康的には問題ないの?」とお悩みの飼い主は多いはず。「寝る子は育つ」とよくことわざで言いますが、よく寝る犬は本当に健康なのでしょうか?
実は犬の睡眠時間が長いのには、理由があったんです!
今回は犬の平均睡眠時間を基に、犬が長く眠る理由、睡眠時間が長いか短いかによるそれぞれの問題点について詳しく解説していきます。
本記事を参考に、今飼っている犬が本当に健康かどうかを見極めてみてくださいね!
目次
犬の平均睡眠時間はどのくらい?
成犬の場合1日の平均睡眠時間は12〜15時間程度で、犬の年齢(子犬、シニア犬)や飼育環境によっても睡眠時間は異なります。
子犬〜シニア犬の平均睡眠時間を以下の表にまとめました。
年齢 | 平均睡眠時間 |
---|---|
子犬(生後〜1歳) | 18~19時間 活発に動き回るため、エネルギーを多く消費する |
成犬(1~7歳まで) | 12〜15時間 一般的に成犬が必要な睡眠時間とされている |
シニア犬(7歳〜) | 18~19時間 体力が衰えるため、疲労回復に時間がかかる |
どの年齢の犬でも1日の半分以上は寝ていることになるので、こんなに睡眠時間が長いなんて驚きですよね!
子犬は好奇心旺盛でとても活発な時期でもあるので、睡眠時間は長めです。
反対にシニア犬の場合は体力が衰え日中の活動時間が少なくなる分、睡眠時間は増えていきます。中には寝たきりになってしまう犬もいます。
犬も人間と同じように、年齢によって睡眠時間が異なることが分かりますね。
睡眠時間は犬種によって違う?
犬の平均睡眠時間は犬種によって違うのでは?という意見もあるのですが、生活環境が睡眠時間に影響している場合も考えられるため、犬種によって違いがあるとは言い切れないのが現状です。
多く言われている説として、大型犬は体が大きい分だけエネルギーの消費量が多く睡眠時間が長くなる傾向、狩猟犬やソリ引き犬等の作業犬は人間の仕事をサポートするために改良された犬のため、睡眠時間が短くなる傾向があると言われています。
ただ作業犬の場合元々の犬種がそのような特徴を持っていたとしても、ペットとして生活し身近に危険を感じにくい環境のため、やはり生活環境が一番影響を与えやすいことが考えられます。
あくびのしすぎは要注意!
人間のあくびと同じく、犬のあくびは「眠い」「退屈」等の意味もあるのですが、多くの場合「興奮」「緊張」「不安」等のストレスからくる「カーミングシグナル」であることが分かっています。
ちなみにカーミングシグナルの「カーム」には自分や相手を落ち着かせる、鎮めるなどの意味があり、あくびの場合はストレスや不快感を訴えているサインです。
「あくびをしているのは眠いから」ではなく、「あくびをしている=ストレスを感じている」証拠なので、頻繁にあくびをしている場合は犬がリラックスできる環境を整えてあげましょう!
なぜ犬は長い睡眠時間が必要なの?
それでは、なぜ犬は1日の睡眠時間が人間よりも長いのでしょうか?理由としては以下のことが考えられます。
- 睡眠時間のほとんどが眠りの浅い「レム睡眠」
- 野生だった頃の名残
眠る時、動物は浅い眠りと深い眠りを繰り返しています。
頭の中を整理したり夢を見たりするのは浅い眠りで「レム睡眠」といい、体を休息させるための眠りだと言われています。一方で成長ホルモンを分泌したり夢をみないのは深い眠りで「ノンレム睡眠」といい、こちらは脳を休息させるための眠りです。
人間の場合平均睡眠時間は6〜8時間ですが、そのうち25%は「レム睡眠」、75%は「ノンレム睡眠」のため、睡眠時間が短く深く眠ることができますが、犬の場合80%が「レム睡眠」、20%が「ノンレム睡眠」と人間と真逆の傾向があります。
そのため眠りが浅いことによって、睡眠時間が長くなっていることが考えられるのです。
また犬は元々野生だった頃は夜行性動物でしたが、人間と暮らすようになってから睡眠も人間に合わせるようになりました。しかし夜行性だった頃の昼間に寝る習慣がまだ残っているため、昼も夜も長時間寝る生活に変化していったとも言われています。
睡眠時間が長いor短いことのそれぞれの問題点とは?
犬の平均睡眠時間に対し睡眠時間が短かったり長かったりすると、何か問題はあるのでしょうか?
睡眠時間が変動している場合、様々な病気を引き起こしかねません。日頃からよく観察して原因を見つけましょう!
睡眠時間が長い場合
先述した平均睡眠時間はあくまでも目安なので、多少は個体差があります。睡眠時間が長い傾向がある子犬やシニア犬だったり普段からよく寝る体質の犬である場合は問題はありません。
しかし丸一日寝ている日があるなどの異常な睡眠が見られた場合は注意が必要。
起きている時に問題行動をしていないかどうかや体調が悪くないかどうかをよく観察してください。
反対に寝ている時に呼吸が早くなっていたり遅くなっていたりする場合も、病気を患っている可能性があるので、睡眠時間が異常に長くこれらの症状が見られた時には、獣医さんに相談しましょう。
睡眠時間が短い場合
睡眠時間が短い原因として、生活環境に問題があったり何か疾患を抱えているため眠れなかったりすることが考えられます。
大きな音が常に鳴っていたり夜中でも電気が点けっぱなしだったり、犬が安心して眠れる生活環境かどうかを今一度確認してみてください。また体調不良の場合も眠れなくなってしまうので注意が必要です。
犬の睡眠時間が短い状態が続くと、体に大きな負担がかかり精神的にもストレスを感じてしまうので、寿命が縮まってしまう可能性があります。これは人間にも同じようなことが言えますよね。
しっかりと睡眠時間を確保することによって犬の健康を維持することができるのです。
犬が快適に眠れる環境を作ることでストレスを軽減できる
犬が快適に睡眠を取れるようにするには、まずぐっすり眠れるための環境や寝床を整えてあげることが必要です。
よくフワフワすぎるベッドに寝かせてあげている飼い主さんがいますが、犬にとっては不安定でそのような環境では寝にくいため、あまり望ましくありません。振動しやすい床から離した所にちょうどよい硬さのベッドを用意しましょう。
飼い主と一緒に寝ることが好きな犬も多いため、飼い主が見えるところにベットを設置することも大切です。
また子犬やシニア犬の場合は体温調節が難しいので、寝床を季節によって温度調節してあげましょう。適温は20〜25度の間です。
犬が寒がり・暑がり、神経質など、飼っている犬の特性に合わせて寝床を整えてあげてくださいね!
よく寝る犬は長生きなの?まとめ
最後に本記事の内容をまとめます。
- 犬の平均睡眠時間は、子犬・シニア犬の場合18〜19時間、成犬の場合12〜15時間
- 犬の睡眠時間の殆どは眠りの浅い「レム睡眠」のため、睡眠時間が長くなる
- 野生だった頃の名残で昼も夜も寝るため睡眠時間が長くなる
- 睡眠時間が異常に長い場合は獣医さんに相談を
- 睡眠時間が短いと寿命が縮まってしまう可能性がある
- 犬にとって快適に眠れる環境・寝床を整えてあげることが大切
いつも寝ている犬を見て不安を感じている飼い主さんも多いかもしれませんが、なぜ犬が長い睡眠時間を取るのかお分かりいただけたかと思います。
犬が安心して眠れる生活環境を整えて質の良い睡眠を保つことが長生きすることに繋がるので、犬の様子・健康状態を日頃からよく観察することが大事ですよ!
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