マルプーはマルチーズとトイプードルのミックス犬で、両方の頭の良さを引き継いだ犬種です。
特にトイプードルは「犬の中でもトップの賢さ」と言われるほど。
しつけの覚えが良いマルプーですが、頭の良さと気が強い性格で飼い主が翻弄されてしまうのはよくある悩みです。
犬のしつけが上手くいかない理由には
・しつけのやり方が悪い。
・愛犬と飼い主の信頼関係が結べてない。
というものがあります。
マルプーに限らず、犬のしつけとは信頼されて初めて成り立つもの。
人間なら「上司だから仕方なく従う」というのもありますが、犬に「飼い主だから…」という考え方は当然ありません。
犬は人間よりも信頼関係にシビアなので、まずは信頼関係を見直していきましょう。
ライター:結城むつみ
幼い頃に家族で犬を飼育していました。動物と文章を書くことが大好きで、学びながら記事を書くのがとても楽しいです。飼い主と愛犬の両者の視点で執筆するのを心がけています。
マルプーしつけの仕方【信頼関係を築く】
犬をしつける前提として「信頼関係」が必須になります。
人間と同じように信頼できない人の言うことを聞く気にはならないのです。
信頼関係に関して犬は人以上にシビアですが、愛情を持って根気強く育てれば必ず答えてくれる動物です。
しつける前に信頼度のチェックを。
犬からの信頼は簡単にチェックできます。
人間同士だと、親しい人とはスキンシップが多くなり明るい表情になりますよね。
犬も信頼している人間に対して、そのような反応を見せます。
・背中やお尻を人に近付ける。
・常に笑顔で機嫌が良い。
・犬からのアイコンタクトやスキンシップが多い。
これらの他にも「仰向けになってお腹を見せる」仕草は犬が信頼している人に行う行動で有名ですね。
このお腹を見せる仕草をしていたら、信頼関係は完璧と言えるでしょう。
信頼関係の築き方
犬に信頼されるのに必要な要素は以下の4つです。
・安全な環境を与えて「安心感」を持つ。
・一緒にいて居心地のいい人になる。
・何事も「常に同じ」を心がける。
・適切なしつけをする。
どれも大切ですが、上から重要な順番になっています。
安全な環境を用意する。
愛犬に危険がないよう自分の家を常に綺麗に保っている飼い主さんは多いと思います。
・犬にとって快適な温度に設定する。
・誤飲する恐れのある物を出しっぱなしにしない。
・ケーブルによる絡まりを防ぐ。
このようにケガに対する対策も大切ですが、愛犬の習性を理解して「ストレスへの配慮」も完璧にできれば、より一層安心できる環境で生活できるでしょう。
ケージを用意する。
広い室内を自由に行き来させるのはストレス対策としてバッチリ。
しかし、犬も人と同じように自分だけの空間でリラックスする生き物なのです。
愛犬用の個室としてケージを用意してあげるのはどうでしょうか?
犬の祖先、オオカミは暗くて狭い穴の中で生活をしていました。
その名残で、暗く狭く静かな空間を好む犬が多いのです。
マルプーであれば、そこまで大きなケージは必要ないので簡単に用意できます。
用意して慣れるまでは1日1回はケージに入れるようにして徐々に慣してあげましょう。
また、しつけるためにケージに閉じ込めると、犬がケージに入るのを嫌がるようになります。
愛犬には「ケージの中はリラックスできる」という印象を持ってもらいましょう。
「甘えさせる」と「甘やかす」は違う。
次に大切なのは「居心地のいい人」と思ってもらうことです。
といっても、甘やかすのとは違います。
可愛さのあまり犬の思い通り育ててしまうと、人と一緒に暮らせない子に育ってしまいます。
手が付けられなくなってから「しつけなければ!」と思っても、人と共存できる性格にするのは非常に難しいのです。
これまで好き勝手できる環境が普通になっていたのに、その日からワガママを禁止される理由が犬には理解できません。
これは犬の習性にも深く影響しています。
犬は「常に同じ」を求める。
どの犬種に言えることですが「常に同じ」「白黒はっきりしてる」を本能的に好みます。
人間の「今日は特別だよ」「明日は○○しようね」といった柔軟な考え方が、犬には理解できないのです。
例えば、日によって言うことがコロコロ変わる上司は信頼できないし、腹が立つときもありますよね。
ましてや犬なら人間以上に理不尽に感じるはずです。
マルプーしつけの仕方【留守番】
ここからは、具体的なしつけの仕方についてご紹介していきます。
まずは、マルプーが留守番中に大人しく過ごすようにするしつけです。
居心地の良い場所を作る。
部屋の一角やゲージやサークルなど、犬が居心地の良い場所を作ってあげましょう。
飼い主がいない時間をそこで過ごすようすると、寂しさを紛らわせることができます。
視界に入らない時間を作る。
犬のお気に入りの場所が分かったら、そのにいる時は視界に入らないようにしてみましょう。
突然飼い主が居なくなったことに驚いて鳴き始めるかもしれませんが、
ここで戻ってしまうと「鳴けば戻ってくる」というのを学習してしまいます。
そうなると、お留守番している間ずっと鳴き続けるような行動に繋がってしまうので、
可哀そうですが鳴いている間は視界に戻らないようにしてください。
もし鳴きやまないようなら、視界から消える前にオモチャを与えてみてください。
慣れてくればオモチャがなくても大人しくできる子になりますよ。
出かける前と帰ってから心がけること。
出かける前に犬を構ってしまうと興奮してしまうので、出かける前はなるべく構わないようにした方が良いでしょう。
出かける前から少しずつ視界からいない時間を作って慣れさせていくのがポイントです。
帰ってきた時もじゃれたり吠えたりと興奮した状態になると思いますが、落ち着くまで構ってあげるのは控えましょう。
帰宅後すぐに構ってしまうと興奮が長く続いてしまいますし、「じゃれたり吠えたりすれば構ってもらえる」と学習してしまう恐れがあります。
マルプーしつけの仕方【トイレ】
次はトイレトレーニングについてご説明していきます。
トイレのしつけは犬を迎えたその日から行ってください。
その日のうちから行わないと「どこでトイレをしても良い」という考え方を持ってしまい、トイレトレーニングが長引いてしまいます。
期間は2週間~1ヶ月。
半月を目安にトイレトレーニングを進めていきます。
ただし、その子の個性によって時間がかかってしまう場合もあるので「時間がかかっても1ヶ月くらい」と考えておくのが良いでしょう。
トレーニングに必要な物。
・トイレトレー
・トイレマット連結パーツ
・エコシーツ
・おやつ
トイレをする合図とは?
地面の匂いを嗅ぎながらグルグル回る様な行動を見せる犬が多いです。
食後や運動中、寝起きなどのタイミングにトイレに行きたがる習性があり、
日々の食事の時間とトイレの時間を記録しておくと、トイレのタイミングが把握できるのでおススメです。
トイレがちゃんとできたらおやつで褒める。
トイレをしたがっている素振りを見せたら、トイレに移動させて15分ほど様子をみます。
きちんとその場でトイレができたら用意したおやつを与えましょう。
褒めることも大切ですが褒めすぎは厳禁。
テンションが上がりすぎてしまうと何に褒められたのか分からなくなってしまうので、褒めるというよりも「遊んでいる」という状況になっていまいます。
15分様子をみてもトイレをしなかった場合はトイレから移動させて、再びトイレの仕草をするまで見守ってあげてください。
自分からトイレに行けるようにする。
3~5日はトイレの素振りを見せたら人の手で移動させていきますが、ある程度トレーニングに慣れた段階で自分でトイレに向かうようにしましょう。
長い間、飼い主がトイレに連れていくやり方を続けていると「トイレをしたくなったら連れて行ってもらえる」という学習をしてしまうのです。
トイレの素振りを見せたらおやつやオモチャでトイレまで誘導して、トイレシートを踏ませてあげるのがポイントになります。
犬はトイレの場所を目で見て覚えるのでなく、足で踏んで確認する場合が多いからです。
きちんとトイレができたら褒めるのを忘れないようにしてくださいね。
マルプーしつけの仕方【まとめ】
トイレトレーニングなど、飼い犬として迎えたその日から教えていくしつけは例外になりますが、しつけの前に信頼ありきが基本だということをお伝えしました。
信頼されてなければ、しつけを覚えないどころか暴れたり噛みつくなどの攻撃行動を起こすようになります。
それで手が付けられなくなって、泣く泣く手放すケースがよくあるのです。
そういった最悪のケースを避けるためにも、最初に信頼関係のお話をさせて貰いました。
マルプーは小柄で賢くとても愛らしいのですが、神経質な子が多い犬種です。
愛犬の性格をよく理解して適したしつけや生活環境を用意してあげてください。
しつけも遊びも楽しみながら毎日を一緒に過ごしてくださいね。
犬は人間の感情にとても敏感なので、飼い主が楽しければ犬も楽しくなるものですよ。