トイレにお散歩に噛み癖に…犬のしつけはキリがないですよね。
そんな中でしつけの中でも特に多いお悩みが無駄吠えです。
この記事では無駄吠えへの理解を深めた上で、無駄吠えへの対処法をお伝えしていきます。
また、テレビや雑誌で目にする霧吹きを使ったしつけ方法についても解説していきます。
結論から言ってしまうと、霧吹きでのしつけはやらない方がいいです。
その根拠や代わりのしつけ方法もご紹介していくので、無駄吠えに困っている飼い主さんはぜひ参考にしてくださいね。

犬はなぜ無駄吠えをするの?
無駄吠えへのしつけ方法の前に、無駄吠えをしてしまう理由を知っておきましょう。
無駄吠えには実は原因があります。
- 恐怖
- 警戒
- 訴え
- 体の不調
理由は主にこの4つです。
どの理由も共通して言えるのは、犬は悪気があって吠えているわけではないということです。
まずは無駄吠えの心理を理解するためにそれぞれ詳しく解説していきます。
恐怖心による無駄吠え
一つ目の理由は恐怖心によるものです。
恐怖以外にも不安や警戒といった感情も含まれます。
「急に体を触られた!怖い!」
「苦手な雰囲気の人がいる、どうしよう…」
「怖い人から飼い主さんを守らなきゃ!」
このような気持ちで犬は吠えてしまうのです。
体が大きかったり堂々としていたりしても実は臆病な犬はたくさんいます。
自分や飼い主を守ろうとしてかえって吠えてしまうのです。
興奮
犬は嬉しかったり、はしゃいだりして興奮したときにも吠えてしまいます。
「たくさん遊べて嬉しい!」
「飼い主さんが近くにいて楽しい!」
このように感情が昂ってしまった結果泣き声を発することがあります。
あまりにも激しい感情表現をすると人間には無駄吠えに感じてしまう場合があるのです。
興奮するほど楽しいと感じてくれているのは飼い主にとって嬉しいことです。
しかし吠えて感情を表現するのには困ってしまいますね。
訴え
犬が何かをしたい、何かが欲しいと思った時に吠えて訴えることもあります。
「ここから出して!」
「お腹がすいた!」
「早く散歩に行きたい!」
何か訴えたいことがあるとまるで言葉を話しているかのように吠えて飼い主の気を引こうとします。
もしかしたら犬語で訴えているのかもしれませんね。
体の不調
体調不良で辛い時にも吠えてしまうことがあります。
辛くて思わず泣き声が漏れてしまう場合があるのです。
また、体調不良で辛い気持ちを飼い主に知らせようを吠えて訴えている場合もあるでしょう。
この場合はしつけを考えるよりも犬の様子を気にかけてあげてくださいね。
必要に応じて動物病院に連れていくなど対応をとりましょう。
犬のしつけに霧吹き:無駄吠えに効果的?
最近テレビなどで目にすることが多い霧吹きでのしつけ。
霧吹きをすると確かに犬が吠えるのをやめる場合があります。
しかし霧吹きで無駄吠えが止まるのは、あくまで一時的な効果に過ぎません。
なぜなら、しつけで霧吹きをかけられた瞬間犬は驚きで頭が真っ白になっているだけの状態だからです。
この方法では無駄吠えのしつけへの根本的な対策にはなっていないのです。
急に霧吹きをかけられる驚きや刺激に犬が馴れてしまえば、次からは無駄吠えをまた再開してしまうでしょう。
むしろ刺激になれるだけならまだマシかもしれません。
気の弱い臆病な犬にとっては霧吹きの刺激が恐怖に変わってしまうのです。
刺激が恐怖としてトラウマになってしまえば犬と飼い主の信頼関係を築くのが難しくなってしまいます。
常に恐怖に怯え飼い主への信頼を無くす様なしつけの仕方が、本当に犬の健やかな成長を手助けできるでしょうか。
答えはNOです。
霧吹きで支配するしつけは犬のためにも飼い主のためにもならないのです。
さらにはテレビなどで、しつけのために匂いの強い霧吹きを使うことが推奨されています。
しかし犬は人間よりも匂いに対する反応が敏感なので強い匂いは苦痛になってしまいます。
犬の嗅覚は私たち人間の1億倍だとも言われています。
できることなら刺激的な匂いは普段から避けてあげましょう。
霧吹きの代わりになる犬のしつけ方法
霧吹きによるしつけは犬にとって望ましくないのなら、代わりにどの様な方法でしつけをしたら良いのでしょうか。
ここからは霧吹きの代わりに使える簡単なしつけのやり方をご紹介します。
繰り返しになりますが、無駄吠えには犬にとってそれぞれ何かしらの理由があります。
その理由に合わせポイントを抑えることで無駄吠えをなくしていきましょう。
【霧吹きに代わる犬のしつけ①】訴えによる無駄吠えの場合
飼い主に何かを訴えたいがために無駄吠えしている場合、重要なのは「犬のペースに合わせない」ことです。
なぜなら「吠えて訴えれば要求が通る!」と犬が思い込んでしまっては飼い主との上下関係が逆転してしまうからです。
そうならないために、吠えて訴えれば犬の思い通りになるという学習を絶対にさせてはいけません。
具体的には、犬が無駄吠えをしてきたら無視をするのが霧吹きに代わるしつけのポイントです。
例えば犬がおやつを食べたくて吠えて訴えてきているとしましょう。
おやつを欲しそうにしているからと言ってすぐに与えては、しつけは決して上手くいきません。
この場合はその場ですぐにおやつを渡さずに一度犬が大人しくなるまで待ちましょう。
そしておやつのことが頭から離れた頃合いを見てからおやつを与えるようにします。
このように犬のペースを乱し、無駄吠えに直接答えを返すのを止めるのです。
そうすると「吠えてお願いしても必ずうまくいくわけではないんだな」と犬に学習させましょう。
霧吹きを使った驚きや恐怖で犬にパニックを与えるよりも、犬自信が頭で理解できるように促すことでしつけをする方がより効果的なのです。
【霧吹きに代わる犬のしつけ②】恐怖や不安、興奮による無駄吠えの場合
2つ目は恐怖や不安、興奮など感情が昂ってしまうことが原因で起こる無駄吠えへのしつけ方法です。
この場合良くも悪くも犬の気持ちが大きく動いている状態なので霧吹きで驚かせても一時的な対応にしかなりません。
犬の心を落ち着かせ自分で感情をコントロールできるように促してあげることがポイントです。
あなたの飼っている犬はハウストレーニングがマスターできていますか?
ここから紹介する方法はハウスの号令を覚えていることが前提となっています。
犬の気持ちが大きく動き無駄吠えしてしまった場合、まずは毅然とした態度でハウスの号令を出しましょう。
犬にとって本来ハウスは最も安心ができ落ち着ける場所です。
一度ハウスに戻らせて「待て」や「お座り」に従わせることで、犬を一度冷静にしてあげましょう。
こうすることで号令に答えながら犬は自ら心を落ち着かせることができるのです。
また、大きい音や不規則な事態など恐怖が原因で犬が吠えてしまっていたら、一度犬のテリトリーに帰らせて安心させることに繋がります。
霧吹きを使ったしつけでは犬との信頼を築くことは難しい
テレビや雑誌などで特集されることの多い霧吹きを使った犬のしつけ方法。
犬にとっては恐怖や驚きによる一時的なパニックにすぎず、根本的なしつけにはならないことが分かりました。
無駄吠えに困っている飼い主さんも多いことかと思います。
しかしその原因を紐解いて考えてみれば、犬は飼い主を困らせようとわざと吠えているわけではないと分かったのではないでしょうか。
もし本当に犬のことを第一に考えているのならばトラウマになるようなしつけ方法は避けてロジカルな教え方をしてあげましょう。
犬はそれに答えてくれる賢い生き物です。
犬との信頼関係のもとで、犬に学習を促すようなしつけを心がけてくださいね。
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