「犬のしつけのために金属音を使いたいけれど、効果があるのか気になる」
「来客があると吠えるので、なんとかしたい」
「愛犬の無駄吠えをなんとかしたい」
当記事を読んでいる方は上記のような悩みを抱えていると思います。
かわいらしい愛犬とは、もっと楽しく過ごしたいですよね。
そこで当記事では、犬のしつけに金属音は有効か、その理由と方法についてご紹介します。
また、しつけ道具の作り方や使い方、喜ぶ音を使ったしつけ方法、吠え方別のしつけ仕方と問題行動の原因について解説します。
ぜひ参考にしてください。
犬のしつけに金属音は効果あり?
愛犬のしつけ方法の1つに、金属音などの犬が嫌がる音を使っておとなしくさせる方法があります。
愛犬の嫌がることを使う方法を「天罰方式」と呼びます。
なかでも金属音は手軽でお金もかからず効果的な方法です。
金属音が犬のしつけに効果的な理由
犬の聴力はかなり優れています。
人間が音を音として感じ取れる範囲は20〜2万ヘルツ。
対して犬は、40〜6万5千ヘルツと、高音域の音を聞き取れます。
さらに犬は音を聞き分ける能力にも優れており、人が16方向に対して、犬は32方向まで判別できます。
以上のように、犬は非常に聴力に優れているため、金属音なども敏感に感じ取ってしまうのでしょう。
私たちも黒板をひっかく音やクラクションなど、不快な音や突然の大きな音を聞くと動きを止めてしまいます。
耳の良い犬なら、より驚いてしまいます。
金属音がしつけに効果的な理由は、犬の聴力の良さにある、とも言えるでしょう。
犬のしつけに金属音を使うときのコツ
金属音がしつけに有効な理由について、上記で紹介しました。
しかし、不快な音を聞くと私たちがストレスと感じるように、犬も金属音などの嫌な音はストレスを感じます。
よって、使い所を見極めなければいけません。
飼い主が鳴らしているとバレないようにする
金属音を使ったしつけは、
問題行動を起こす → 嫌な音がする → 問題行動を起こすのはやめておこう
と学習してもらうのが目的です。
なので、覚えるまで辛抱強く行う必要があります。
最初のうちは金属音がするまで吠えるかもしれませんが、繰り返すことによってだんだんと吠えなくなっていきます。
また、金属音をしつけに使うときは、絶対に愛犬にあなたが音を鳴らしていると気づかれてはいけません。
上記のような問題行動をやめさせるために、しつけのためとはいえ金属音を鳴らすのは、愛犬にストレスを与える行為です。
嫌なことをされれば、誰だって相手に不信感を覚えます。
それと同じで、いつも優しい飼い主さんが嫌な音を鳴らす犯人だった、とわかれば愛犬はあなたに不信感を覚えてしまいます。
最悪、今まで築いた信頼関係が崩れてしまうこともあるでしょう。
場合によっては、あなたを見ただけで愛犬が逃げ出してしまうこともあります。
ちゃんとできたら忘れずに褒めてあげましょう!
吠えずにいられたら、愛犬を褒めることもしつけには大切です。
金属音を使って吠えるのをやめたときや、噛むことをやめたときは思いきり褒めてあげてください。
良いことと悪いことは、メリハリをつけて愛犬に教えてあげましょう。
タイミングや方法も重要です。
もしタイミングや方法がわからない場合は、トレーナーに相談すると良いでしょう。
音を使ったしつけ道具と作り方
ペットショップやネットでは、種類豊富なしつけ用品が売っています。
しかし、金属音を使ったしつけをする場合は、自宅にある物で手軽に作れるため、専用の物を買う必要はほぼないと言っていいでしょう。
下記からは、しつけ道具の作り方と使い方についてご紹介します。
ビー玉や小銭を入れた空き缶「ガシャン缶」の作り方
金属音を使ったしつけに使えるガシャン缶は、簡単に作れてしつけにも効果的です。
-
空き缶とビー玉または1円玉などの小銭を用意する。
-
空き缶に、数十個のビー玉または数十枚の小銭を入れる。
-
飛び出さないようにテープでしっかりとふたをする。
「ガシャン缶」の使い方
ガシャン缶の使い方は簡単です。
愛犬が吠えたり、噛んだりしたら犬に見えないように短く「ガシャン!」と振るだけです。
愛犬が離れている場合は、当たらないように近くへ転がしましょう。
犬が喜ぶ音を使ったしつけの方法
音を使ったしつけには、犬の喜ぶ音を使った方法もあります。
クリッカーと呼ばれる、いるかの調教に使われている道具を使ったトレーニング方法で、犬の好きな音を使って良い行動をしてくれるように促します。
なぜ、このようなしつけ方法が必要なのかというと、普段から愛情たっぷりのコミュニケーションをとっていると普通に褒めても、愛犬に伝わらないからです。
毎日愛情をこめてなでたり、コミュニケーションをとったりしていると、してほしい行動をしたときに褒めても、愛犬はいつものコミュニケーションと思ってしまいます。
してほしい行動を褒めても
「褒められた! 次もやろう!」
とはならないんですね。
だからと言って、毎日の愛情表現は欠かしたくないありませんよね。
そんなときにクリッカーを使った方法が役立ちます。
クリッカーを使ったしつけ方法
クリッカーを使ったしつけの方法は簡単です。
良い行動ができたときに、クリッカーを鳴らし、おやつを与えて愛犬を褒めます。
すると、愛犬はクリッカーの音がなるとおやつが出てきて、いっぱい褒められると学びます。
結果、褒められた行動を好んでとるようになるのです。
この方法は良い行動を促したいときだけでなく、やめさせたい行動があるときにも使えます。
方法は、愛犬がやめさせたい行動をやめたときに、クリッカーを鳴らしてご褒美をあげます。
など、ちゃんとできたらクリッカーの音を鳴らし、おやつをあげましょう。
クリッカーを鳴らす方法は、無駄吠えのしつけにも有効です。
吠えタイプ別しつけ方法
ここまで音によるしつけの方法をご紹介してきました。
しかし音によるしつけは個体差が出るため、すべての犬に有効、というわけではありません。
問題行動には、愛犬なりの理由があります。
そこで吠えるタイプ別に次の4つにわけて、問題行動を起こしてしまう理由と、しつけの仕方についてまとめてみました。
ぜひ参考にしてください。
ご飯・散歩・遊びたいときにキュンキュン鳴く
ご飯の時間や散歩の時間、遊びたいときに飼い主さんに対して「キュンキュン」と可愛らしく鳴くパターン。
これは愛犬が自分の要求を叶えてもらおうと鳴く、要求吠えです。
要求吠えの原因は、「キュンキュン」と鳴いたことによって飼い主さんがやってほしいことをしてくれた、という記憶にあります。
鳴けば飼い主さんは自分の要求を叶えてくれる、と学んだ結果です。
要求吠えをやめさせたいなら、吠える前にご飯をあげたり、散歩へ連れて行ってあげたりしましょう。
吠える前に要求を叶えてあげると、改善する場合があります。
ほかにも、愛犬ができることを指示して、できたら褒める方法も有効です。
上記の方法を繰り返すと、吠えるよりも飼い主さんの言うことを聞いた方がほめてもらえる、と愛犬が学習します。
知らない人に吠える
インターホンが鳴ったときや散歩ですれ違う人、車に「ワンワンワン!」と激しく吠え始めるとき、愛犬は警戒心でいっぱいになっています。
自分の家に知らない人が突然来たら、わたしたちも警戒すると思います。
愛犬も、家族以外の人が来て警戒しているのです。
インターホンが鳴った瞬間に鳴くのは、
インターホンが鳴る = 知らない人が来る
と学習した結果です。
インターホンで吠える場合は、まず音に鳴らすトレーニングをしましょう。
インターホンがなったら、愛犬が落ち着ける場所へ行くようしつけます。
特定の場所がない場合は、おやつやおもちゃを使って、ケージやハウスに慣らしておきましょう。
または、吠える前におやつで気をひき、ハウスへ誘導するのも手です。
ただし、吠え始めたときにおやつをあげてしまうと悪化するので、タイミングには要注意です。
次に、散歩ですれ違う人や車に対して吠えてしまう場合は、散歩コースの見直しをしましょう。
見直すポイントは以下の通りです。
いつもの散歩コースが人一人通るのがやっとで、人や車が多く通る道の場合、愛犬はすぐ側まで来る人や車を警戒しています。
わたしたちも、すぐ脇を車が猛スピードで走り抜けていったら恐怖を感じますよね。
それと同じで、愛犬もストレスを感じているかもしれません。
できるだけ、交通量が少なく、ゆったりと歩けるコースを探しましょう。
吠えることなく散歩を終えられたら、うんと褒めてあげてください。
吠える機会を減らしてあげると、何かあったときにすぐ吠えなくなります。
夜鳴きや遠吠えをする
近所の犬の遠吠えや救急車のサイレンに反応して、愛犬が遠吠えすることがあると思います。
なぜ犬は遠吠えするのか、それは人に飼われる前の生活に理由があります。
自然界にいた頃、犬は群れで生活をしており離れている仲間と遠吠えで連絡をとっていました。
一見関係なさそうな救急車のサイレンで遠吠えをするのは、サイレンの音が遠吠えに似ているからです。
遠吠えは遺伝子に刻まれた本能のため、コントロールするのは難しいです。
それでもなんとかしたいなら、遠吠えを始めたら名前を読んで、愛犬の注意を飼い主さんの方に向けましょう。
遠吠えをやめて静かになったら、褒めてあげてください。
そうすることで、遠吠えをするより飼い主さんに注目していた方が良いと学んでくれます。
飼い主さんの姿が見えないときに吠える
飼い主さんの姿が見ないときに吠えて、以下の要素がある場合、あなたの愛犬は分離不安の可能性があります。
分離不安とは、飼い主さんと離れて過ごすことを不安に思ってしまい、精神的・肉体的に不調になってさまざまな問題行動を起こしてしまうことです。
子犬の頃から一日中、飼い主さんが側にいて寝るときも一緒の生活をしてきた愛犬にとって、飼い主さんがいなくなってしまうことは大きな不安を感じます。
飼い主さんがいるのが当たり前だったので、いなくなるとその当たり前が崩れてストレスを感じてしまうんです。
分離不安を和らげるには、愛犬に飼い主がいない状況に慣れてもらいましょう。
方法は以下の通りです。
- 飼い主さんが部屋から出る
- 愛犬が不安を感じない程度の時間、放置する。
時間は数十秒程度でも大丈夫です。
愛犬に無理をさせない程度の時間で慣らしていってあげてください。
徐々に時間を伸ばしていって、飼い主さんが外出することもあるとわかってもらいましょう。
また、飼い主さんが家にいるときでも、ケージなど愛犬専用の場所で一人でもくつろげるように練習します。
ただし、分離不安の症状がひどい場合には、動物病院に相談した方が良いでしょう。
また愛犬に次の行動が見られる場合は、認知症の可能性があります。
上記のような症状があったら動物病院に相談してみてください。
犬のしつけに金属音は効果的?まとめ
犬のしつけに金属音が有効な理由としつけ方法、しつけ道具の作り方と使い方、吠え方別のしつけ方法について解説しました。
記事のポイントをまとめます。
・犬は人よりも聴力に優れているため、しつけに金属音は有効
・金属音をしつけに使う場合は、愛犬に飼い主が鳴らしたとわからないようにする
・音を使ったしつけには喜ぶ音を使った方法もある
・金属音を使ったしつけ道具は空き缶とビー玉、硬貨などがあれば簡単に作れる
・吠え方によって適切なしつけ方法と愛犬なりの吠える理由がある
目に入れても痛くないほどかわいい愛犬と言えど、困ってしまう吠える・噛むなどの問題行動。
しかし愛犬の問題行動にはさまざまな理由があります。
その原因を理解して、対処してあげるのが大切です。
また、愛犬がまだ子犬の場合は、他の人や犬、音、物などの環境に慣れさせてあげると興奮しにくくなります。
興奮して吠えたり、噛んだりなどの問題行動を起こしにくくなるので、なるべく多くの経験をさせてあげてください。
当記事が、あなたとワンちゃんの楽しい毎日の助けになれば幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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