最近では犬も家族の一員であるという認識が広く定着してきました。
そんな家族のような存在には、人間同様に健康状態にも気を遣ってあげたいですよね。
今回は犬の貧血について解説していきます。
まだまだ犬の健康に関する情報が一般には少ないのも事実です。
犬の貧血の原因から、貧血を改善する食事まで詳しく紹介します。
少しでも飼い犬が長生きできるよう、参考にしてみてくださいね。

目次
犬の貧血:原因や症状について
人間と同じように、犬も貧血を発症します。
犬にとっての貧血とは、一般的に赤血球の数が減ってしまった状態を言います。
また、病気や免疫力の問題で血液を生産する能力が衰えてしまった時にも貧血になってしまいます。
貧血の改善方法の前に、まずは貧血に対する基本的な知識を入れておきましょう。
犬の貧血の症状
犬の貧血の症状は主に5つあります。
- 食欲がなくなる
- 元気がなくグッタリとして運動を避ける
- 呼吸がしづらそうな様子を見せる
- 白目や口の中が黄色く濁る(黄疸)
- 排尿が増える、色が濃くなる
当てはまるような症状が出たらかかりつけの動物病院で血液検査をしてみることがおすすめです。
以上の症状が犬にみられたら貧血に限らず様々な病気の可能性があります。
たかが貧血と判断せずに早めに病院での診察を受けましょう。
貧血の原因
犬の貧血の原因には人間とも共通するものもあります。
代表的な貧血が出血によるものです。
手術や怪我で体内の血液量が減ると重篤な貧血になる場合があります。
また、雌犬には人間同様に生理がやってきます。
雌犬にとっては生理が負担になり貧血になってしまうのです。
犬特有の理由としては、タマネギ中毒や寄生虫への感染が貧血の理由として考えられます。
寄生虫には血を吸うノミやダニが犬に悪影響を与えます。
寄生虫の早期発見ができるよう、健康チェックをしながらこまめにシャンプーをして清潔を保ってあげましょう。
普段から総合栄養食で食事をしている犬は貧血にはなりにくいと言われています。
なぜなら貧血改善に重要な鉄やビタミン類が効率的に、必要な量を接種できるように作られているからです。
逆に普段から手作りの食事をしている犬や、妊娠中で効率的に栄養を吸収できない状態の犬は貧血になりやすいのです。
犬の貧血の改善方法
自己免疫関係の病気による貧血の場合は、薬を使った免疫治療が主となってきます。
また、出血による一時的な貧血であれば人間と同じく輸血もされる場合があります。
そして体質や体調による貧血の場合、薬や食事療法で改善を促します。
犬の貧血を改善する食べ物
犬の貧血は食事の工夫で改善していくことが可能です。
栄養バランスが取れるよう食事を補助してあげましょう。
【犬の貧血改善におすすめの食べ物①】生肉
実は生肉には鉄分やタンパク質が豊富に含まれていて、貧血の改善に効果的です。
人間からすると生肉を食べさせることに不安を感じてしまうかもしれません。
しかし犬は元々人間に管理される前は肉食の生活を送ってきました。
そのため、寄生虫による病気に注意さえすれば、生肉による食事に大きな問題はありません。
貧血を改善する食事としては鹿肉(ジビエ)がおすすめです。
鹿肉には低脂肪、低カロリーで健康を害しにくく、鶏肉に匹敵するほどのタンパク質が含まれていて栄養が豊富なのです。
また、鹿肉を食べることで貧血改善に重要な鉄など、各種ミネラルも効率的に摂取することができます。
体内の鉄量が増えるとヘモグロビンの生産も活発になり、全身に運べる血液の量が改善されるのです。
そして鹿肉に含まれるL-カルニチンという成分は高齢な犬や心疾患を患った犬にも必要になってきます。
鹿肉は貧血以外にも様々な効果が期待できるのです。
【犬の貧血改善におすすめの食べ物②】レバー
人間と同じようにレバーによる食事療法も犬の貧血改善におすすめできます。
レバーの部位は肝臓です。
この肝臓は動物が摂取した鉄分を蓄えるための臓器です。
だからこそレバーは直接的に鉄分を摂取できる、効率の良い食材なのです。
しかしレバーを大量に与えればいいというわけでもありません。
レバーから一度に摂取できる鉄分の量には限りがあるので、焦らずに毎日コツコツと犬にレバーを食べさせてあげましょう。
【貧血改善におすすめの食べ物③】マグロやカツオ
マグロやカツオなどの赤身の部分には健康に良い成分がたっぷりと含まれています。
鉄分だけでなく、ビタミンB群も豊富で貧血の解消にも予防にも効果的に役立ちます。
また、貧血以外にも高血圧、肝臓疾患の予防にも期待ができます。
カツオやマグロであれば人間の食事にも使い回しが効いて買い物の手間が減らせますね。
良質なタンパク質、ミネラル、貧血改善にも繋がる鉄分で複合的に犬の健康を支えましょう。
犬の貧血改善を食べ物で試みるときの注意点
【注意1】鉄分の過剰摂取に注意
鉄分不足による貧血も体調が優れず犬にとっても苦しい状態ですが、鉄分の過剰摂取にも注意が必要です。
鉄分の過剰に摂取しすぎると以下のような症状が起こります。
- 胃腸障害(下痢や嘔吐)
- 血管疾患
- 糖尿
- 肝疾患
普段食べている総合栄養食による食事だけでは鉄分の取りすぎへの心配はいらないでしょう。
しかしそれ以外に食事療法で貧血を改善する場合、鉄分の取りすぎに気をつけましょう。
鉄分以外にもビタミンの過剰摂取でも以上のような症状が起こる場合もあります。
ビタミンCとセットで摂取することで鉄分の吸収率は高まります。
もちろんビタミンCも健康を整える上では必要な成分です。
しかし鉄分との食べ合わせには気を使いましょう。
【注意2】アレルギーによるタマネギ中毒に注意
繰り返しになりますが、犬はタマネギへの中毒症状として重度の貧血を発症してしまいます。
オーガニックの手作りフードを与えている場合、知らず知らずのうちに犬にとってのアレルギー食材を食べさせてしまう可能性があります。
タマネギ以外にも、タマネギの仲間となる野菜にも注意が必要です。
- 玉ねぎ
- ネギ
- にんにく
- ニラ
特に以上のネギ類の野菜を与えないよう食事に気をつけましょう。
なぜなら、こういったネギ類の野菜に含まれている有機チオ硫酸化合物という成分が犬には有毒なアレルギー物質になってしまうからです。
有機チオ硫酸化合物が血液の中の酸素運搬を担う物質を壊して邪魔してしまうのです。
またネギ類に同時に含まれている物質が特に有機チオ硫酸化合物の吸収を促進することで、症状が悪化しやすくなってしまいます。
こういった有毒な野菜は例えよく刻んだり見えなくなるまで煮込んだりしても、その毒性が変わることはありません。
完全に摂取を避けられるよう、手作りフードは気をつけて作りましょう。
手作りフードで不安なことがあったらかかりつけの動物病院で相談してみるのも一つの手ですよ。
食べ物で犬の貧血改善を目指そう
人間同様に犬も貧血に悩まされることがあります。
免疫などの病気であれば薬を使った治療ができますが、貧血気味というだけで病院で薬をもらえることは少ないかもしれません。
なぜなら、まずは食事や生活面での改善で様子を見てみる場合が多くあるからです。
そうなったら食事の工夫で貧血の改善を目指してみましょう。
特別な食材を使わなくても、スーパーで手に入るようなもので手軽に鉄分を補うことができますよ。
また、犬の貧血を改善するためのサプリも販売されています。
大切に思う存在だからこそ、長生きしてもらえるように食事で犬の健康の手助けをしてあげましょう。
犬の健康管理:関連記事