来客の時に、犬が吠えてしまうことは珍しくありませんよね。
そして吠えることでせっかく来てくれたお客様を不愉快にさせてしまうこともあるでしょう。
しかし、犬にも吠える事情があり、頭ごなしに叱っても中々吠え癖は治らないものです。
なので今回は何故、チャイムが鳴ると犬が吠えてしまうのかという理由と吠えないようにするための
しつけについてお話したいと思います。
【玄関のチャイム吠え:犬のしつけ方法】吠える理由は様々
まずはチャイムが鳴ると吠えてしまう理由と犬の心理を解説していきます。
縄張り意識から吠える
自分のテリトリーによそ者が入ってきたという縄張り意識から吠える犬も多いです。
この場合も、チャイム=よそ者が入って来るという行為が学習されているため、チャイムがなる事で吠えてしまう様になります。
特に、自分が家のリーダーだと思い込んでいる犬に多い行動です。
縄張り意識から吠える場合は、リーダートレーニングを行い主従関係を築き、飼い主の指示に従う様にすることを徹底することが大切です。
恐怖心からの吠えてしまう
敵が家の中に侵入してくる、という怖さから吠える場合です。
チャイムが鳴る=知らない人が入って来る
という認識をしているため、チャイムが鳴ることで敵がきたと思い吠えてしまいます。
喜びすぎて吠える
来客が嬉しくて、喜びからテンションの上昇が止まらず、吠えて喜びを伝えてしまう犬も多いです。
この場合、チャイム吠えだけでなく、来客に飛びつくなどの問題行動も同時に起こる場合があります。
テンションが上りやすく、興奮しやすい犬を落ち着かせるためには、リーダートレーニングを行い、リーダーの言う事を聞く様にすることが大切です。
また、来客が予定されている場合にはクレートに入れておく、など物理的に来客に害が及ばないように離す事も効果的です。
【玄関のチャイム吠え/しつけの方法】吠えやすい犬種ってあるの?
しつけをすることで、どんな犬種でもある程度吠えることをコントロールすることは可能です。
ですが、元々の犬種の性格や本能から吠えやすくなる子がいることも事実です。
そこで一般的に吠えやすいと言われている犬種をご紹介します。
小型犬
小型犬の多くは吠えやすいと言われています。
これは犬の本能で、自分より大きな物を警戒して吠えるという習性のためです。
特に超小型犬と呼ばれるチワワや、ポメラニアンは警戒心が高く、頑固な性格もあるため吠えやすいと言われています。
番犬として使われていた犬種
番犬として使われてきたジャーマンシェパードなどの犬種も、警戒心の強さから吠えやすいと言われています。
狩猟犬として使われていた犬種
狩猟犬として使われていたダックスフンドや、ビーグル、柴犬は吠えやすい犬種の代表です。
ですが狩猟犬の中でも、JKC(ジャパンケネルクラブ)でハウンドグループ(猟犬)に属するサルーキやアフガンハウンドなどの大型犬は性格も穏やかで吠えにくいと言われています。
狩猟犬では、他にもテリアグループに属する犬種(ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアやジャック・ラッセル・テリアなど)が吠えやすい犬種だと言われています。
これはテリアキャラクターと呼ばれる明るく、気が強く、好奇心旺盛な性格が影響しています。
牧羊犬として使われていた犬種
吠えたり追い立てる事で家畜をコントロールしていた牧羊犬のボーダーコリーやシェットランド・シープドッグも吠えやすい犬種です。
【玄関のチャイム吠え】本当は子犬の内にしつけることが大事だが成犬でもまだ間に合う
きっと、この記事を読んでいる方は
「うちの犬はよく吠えて困る」
とお悩みの方が大半ではないでしょうか。
ですが、よく考えてみてください。
まだ家族として迎え入れたばかりの子犬の時はそんなに吠えてなかったんじゃありませんか?
犬は賢い生き物ですので、日々の成長する過程で学習して行動するのです。
例えば、おやつの袋のガサガサという音がするとすぐに駆け寄ってきたりしませんか。
それは、「この音がすると美味しいものが食べれる!(いいことがある)」という事を経験上、学んでいるからなのです。
チャイムが鳴って吠えてしまうのもその原理と同じで
上記で紹介したように
『チャイムが鳴ると知らない人(敵)が来る=吠えて追い払わないと!』
というような防衛反応だったり
『人が来てくれて嬉しい!』
とテンションが上がりまくって喜びを抑えきれなかったりと理由があります。
防衛反応から来た吠えの場合は
チャイムが鳴る(知らない人が来る)
吠える(追い払おうとする)
訪問者が帰る(自分のテリトリーから敵を撃退した)
というような流れが出来ることで
「自分は敵から家(テリトリー)を守った」
という達成感に繋がるのです。
本来は子犬の内にしつけるのがベストなのですが、決して成犬になったからといって手遅れということはありません。
ここで大事なのは
チャイムの音=敵来襲!
ではなく
チャイムの音=ご褒美タイム♪
と認識を変えてあげることなのです。
罰を与えて怒るのではなく、「吠えない事でいいことがある」と認識させる
さて、犬がチャイムに吠える心理、原因が分かったところで、次はその直し方を見ていきましょう。
どんなしつけにおいても、家庭犬に「罰」をもって直していくのは、あまりよくないのではと思います。
よく天罰方式というものがあり、要約すると「これをすると嫌な(怖い)ことが起きる」と認識させることです。
もちろん一定の効果も期待できるのですが、犬にとってかなりストレスになりますし、
一歩間違えば飼い主さんが天罰を起こしている事に気づくと怖がって警戒してしまいかねない
と考えるからです。
どうせしつけるなら
「何かをして嫌な(怖い)ことが起きる」
ではなく
「何かをして良い(嬉しい)ことが起きる」
の方が飼い犬にとっても良いのではないでしょうか。
私たち人間だって、どうせなら嫌な思いをするよりいい思いをしたいですよね。
犬もそれと同じです。
ハウス(クレートトレーニング)のしつけ方をご紹介
まずはチャイムが鳴ったらクレートやケージに入り静かにさせる方法をご紹介します。
- 最初にフードをクレートやケージに置いておくと、それを食べようと犬が中に入ります。
- 入ったら、またフードをどんどん追加していく
- クレートの中はいいことが起こると認識して好んで入るようになる。
- 犬が自発的にクレートに入るようになれば、そこに「ハウス」などの合図を加える。
- 誰かに手伝ってもらって、またはその家のチャイムの音を録音しておいて、誰も入ってこない状況を作りドアフォンを鳴らす。
- 当然犬はワンワンと反応しますが、チャイムの音が一度聞こえるだけで、それ以外の変化は一切起こさない。
- 吠えている間は無視し、そのうち必ず吠えなくなるので、落ち着いたらハウスさせフードをあげる。
- 4~7を何度も何度も繰り返す。
何十回、何百回と根気よく続けることで、チャイムが鳴るとハウス内でいいことが起こると認識させるのです。
もしもハウスがなくても、「チャイムが鳴ったらおやつを与える」ということを繰り返し行うことで、チャイム吠えを止めさせることもできます。
ですが、クレート・トレーニングは、来客時のチャイム吠え対策だけでは無く、雷や電話の音など犬が吠える原因になるものに対しての改善方法になります。
教えておくと、病院に行くときなども嫌がらずに入ってくれるので楽ですし、災害時の避難所での生活でも大事なしつけですので、できれば覚えさせましょう。
飼い主の方が立場が上だと理解させる
一般的に吠える犬というのは、自分が群れの中のリーダーであると思っている犬が多いです。
飼い主は自分より弱者であり格下だと思っているので、リーダーとして守らなければと吠えているという事です。
飼い主から見れば「困ったチャイム吠え」という問題行動に見えますが、この場合は本当は主従関係の問題からきているのです。
まずは、日々の生活の中で飼い主が家族という群れの中のリーダーである、ということを理解させないといけません。
リーダー・トレーニングの基本は犬の要求に応じない事です。
全ての決定権は飼い主にあり、飼い主の裁量で犬は行動する立場にあるということを理解させ飼い主の方が格上と認識させることが大事です。
- ごはんやおやつは飼い主の決めたタイミングで与える。犬が吠えて要求したりしてもあげない。
- 遊びも飼い主のタイミングで始め、もっと遊びたいと要求されても応えずに飼い主のタイミングで終わらせる。
- 散歩は、飼い主の決めたルートを使用する。
- 散歩のときには飼い主の一歩後ろを歩かせる。前を歩かせない。
これら実践し、上手く出来た時には褒めてあげてご褒美をあげる、などして長期的にしつけをすることで主従関係をハッキリ認識させることができます。
散歩の時にグイグイ引っ張られて犬に引きずられてしまったり、名前を呼んでも無視されたり、お腹が減ればワンワン吠えてご飯の催促をされる…。
こんな状況に覚えがあれば、飼い犬が飼い主であるあなたを格下と認識しているかもしれません。
その場合は上記のことを実践して飼い主が格上であるとわからせたあげることが大事です。
吠えても反応しないで無視する
テンションが上がって興奮してチャイム吠えする犬には、無視することも有効な手段です。
「静かにしなさい」「こら!」「ダメ!」という声掛けすらも大きな声で呼びかけるので更に興奮してしまったり、吠えれば構ってもらえると勘違いしてしまうのです。
なので、大きな声で叱るのではなく低い声で「ノー」と一言だけ言い、あとはいくら吠えても無視します。
出来れば来客にも無視してもらうと、更に効果的です。
こうすることで
「吠えても無駄」
と認識して諦めます。
そして静かに出来たら、必ず褒めてあげて、おやつをあげるなどすると
「静かにしていると良い事がある」
ということを理解させることが大切です。
玄関のチャイム吠えを直したい!犬をしつける方法と理由 まとめ
いかがでしたか?これでチャイム吠えを止めさせる希望が見いだせたのではないでしょうか。
以下、まとめです。
ポイント
- チャイムが鳴ると吠えてしまうのは恐怖だったり、嬉しい気持ちからすること
- チャイムが鳴っても静かにするとといいことが起こると認識させるのが大事
- 犬が飼い主を格下に見てると守ろうとして吠えることもあるので主従関係はハッキリさせる
チャイム吠えをすることは飼い主さんもストレスだし、困ってしまいますよね。
まずは、何故チャイムが鳴ると吠えてしまうのか原因を探ってそれぞれの対処方を根気よく続けることで
人にも犬にもお互いに過ごしやすい環境を作っていきましょう。
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