愛らしい目と、ふさふさの毛並み…とっても魅力たっぷりのボーダーコリー、遊び好きで愛情あふれるその性格はどの家庭でも人気があります。
ボーダーコリーは全犬種の中でトップクラスの運動能力と知能を持ち合わせています。知能が高いゆえに「性格が悪い」と思われる行動をとることもあります。
では本当にボーダーコリーは性格が悪いのでしょうか…。今回はボーダーコリーはの性格や魅力についてたっぷりとお伝えしていこうと思います。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ボーダーコリーは性格が悪いのか
結論からいうと、ボーダーコリーは性格が悪いというよりかは「ずる賢い」という言葉の方が合っていると思います。ボーダーコリーは全犬種の中でトップクラスの運動能力と知能を持ち合わせているので、人間の表情や行動をよーく観察しています。
見た目の愛らしさからは想像ができないほどの分析力があるので、しっかりと信頼関係を築けていないと言うことを聞かなくなってしまった、無駄吠えがひどい、噛み癖がなおらない…などのトラブルで悩んでいる飼い主さんも多いようです。
さらには「こんなはずじゃなかった」となってしまうのか、飼育放棄が多い犬種でもあるんです。
間違った育て方をしてしまうと、その賢さが悪い方に向いてしまいます。ボーダーコリーは上級者向けの犬種と言われることもありますが、正しい知識と接し方をすれば初めて犬を飼う人でも飼うことができる犬種だと思います。
ボーダーコリーを新しい家族として迎えようと考えている場合は、しっかりと犬種の特徴を理解してから、自分たちのライフスタイルに合うかどうかを考えたいですね。
知能が高いとしつけがしやすいの?
たしかにボーダーコリーは知能が高く賢い犬種ですが、
知能が高い=しつけがしやすい
というわけではありません。「ボーダーコリーだからできて当たり前!」と犬種で決めつけてしまうと上手くできなかった時の飼い主さんの気持ちの落胆が大きいです。
わたしは主従関係よりも、いつもお互いに思い合える強い信頼関係を築いた方がしつけにも効果があると思います。自分のパートナーはどんな性格で、何が好きなのか…、どんな伝え方をしたら分かりやすいのかなど真剣に向き合うことで、パートナーである愛犬は必ず応えてくれます。
しつけに暴力や厳しさは必要なく、「正しいということを毅然とした態度でできるまで伝える」ことがポイントです。しつけはどの犬種であっても根気強く、忍耐が必要ですが、できるようになった瞬間はものすごい達成感と愛おしさで気持ちがいっぱいになります♪
また犬をしつけることは、わたしたち人間社会で生活する上で必要不可欠なことです。
- 急なトラブルでリードが外れてしまった
- 体調を崩して動物病院で治療や入院が必要になった
- トリミングサロンへシャンプーをお願いしたい
こんな時、しつけができていないと大変なことになってしまいますよね。場合によっては事故やトラブル、犬の命に関わる場合もあります。
最近では、犬たちの寿命も15年以上になることも多く長生きになっています。それはとても嬉しいことですが、しつけができていなくて毎回、ワクチンやシャンプーで大暴れ…では、犬も飼い主さんもストレスです。
犬たちが生涯しあわせな生活を過ごせるように、愛情をもってしっかりとしつけてあげましょう!
叱るときは感情的にならずに…、でも褒める時は思いっきりこれでもかってくらい全力でほめてあげるのがポイントですよ。
運動量が多いってどのくらい運動させるの?
ボーダーコリーは運動能力も優れていて、運動量も多い犬種です。
ですが、広い庭で1日中走りまわせてあげるとか、〇時間のお散歩が必要!という考えは必要ないかなと思います。
特に体を作り上げている1歳までの期間に激しい運動をしてしまうと「股関節形成不全」を発症してしまうこともあるので注意
股関節形成不全とは、
関節部分の骨が変形してしまい、うまくかみ合わなくなってしまうことです。
- 運動を嫌がる
- 立ち上がりにくそう
- 歩くときにお尻を振っているような歩き方(モンローウォーク)になる
- うさぎ跳びをするようにぴょんぴょん歩く
このような症状が見られるときは要注意です。症状がひどければ手術が必要になることもあるので、体に負担がかかるほどの激しい運動は避けましょう。
人間でも運動が得意な人と、そうでない人がいますよね。犬たちでもそれは同じことです。
運動量はあくまでも目安なので、家族になったボーダーコリーがどんな子なのかによって、運動をする時間は調整してあげるといいと思いますよ。
また、ボーダーコリーはもともと「使役犬」として人間に仕事を与えられてきました。
長時間のお散歩よりも、短時間で集中してたくさんの刺激を与えてあげるとボーダーコリーの本質を生かしてあげることができるので、欲求不満にならずにいられると思います。量よりも質を大切にしてあげたいですね。
例としては
- 早く歩いたり、ゆっくり歩いたりペースを変えてみる
- 待てや座れをさせる
ポイントは、犬の意識を自分に集中させることです。「次はどんなことが起こるんだろう!」と犬をワクワクさせてあげると、神経を使うことができるのでストレス発散になります。
犬の集中力は5分と言われているので、ちょこちょこと取り入れてあげるといいですね。犬の様子を見ながらコミュニケーションをとることで信頼関係を築くことができますよ。
こちらのボーダーコリーのリーリエちゃんは、お散歩に加えて運動も行っているそうです。注目して欲しいのは、リーリエちゃんの表情です。飼い主さんの指示を今か今かと待っていますね。
こんな風にお互いが楽しめるお散歩が理想的ですね。
ボーダーコリーという犬種について
ボーダーコリーの原産国は、イギリスのスコットランド、ボーダーズ州で羊飼いたちと一緒に生活をしてきた犬種です。アイルランドやイギリスでは今でも「牧羊犬」としてとても人気があります。
体重は14~23kgほど、体高は46~53㎝とオスやメスでも個体差があります。
またカラーバリエーションがとっても豊富で、毛質もふさふさのロングコートだけでなくスムースのボーダーコリーもいます。上記の写真はスムースのボーダーコリーですね。
スムースのボーダーコリーはロングコートのボーダーコリーと比べるとよりアグレッシブな子が多いようです。
豊富なカラーバリエーション
- ブラックホワイト
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- レッド
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- ブルー
- ブルーマール
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- トライカラー
- チョコレート
- セーブル
どんな毛質をしているの?
ボーダーコリーはダブルコートといって、
- オーバーコート
- アンダーコート
の2種類の毛質でできています。
▽オーバーコート
表面ににある少し硬い毛のことで紫外線や寒さから体を守ってくれます。人間で言うジャケットやコートのような感覚です。
▽アンダーコート
オーバーコートの下側に生えている毛でふわふわと柔らかく、セーターのようなイメージです。オーバーコートと地肌の通気性を良くしてくれる働きがあるので、いつも清潔にしてあげたいですね。
人間がコートからジャケット、セーターからTシャツへと気温に合わせて衣替えするように、ボーダーコリーも「換毛期」という毛の変わり時があります。その時期は毛がごっそりと抜けるので、毎日のブラッシングなどこまめなお手入れが欠かせません。
毎日ブラッシングをするのは大変そうと思う方もいるかもしれませんが、ブラッシングにはメリットがたくさんあるんですよ。
- 愛犬とコミュニケーションをとることができる
- 病気の早期発見につながる
- 皮膚の血行が良くなり、毛艶がUPする
ブラッシングが大好きになってくれると、ブラシを見ただけで喜んで来てくれてごろ~んとしてくれることもあります。こまめにブラッシングをすることによって、毛玉やもつれを防ぐこともできるし、皮膚の異常やノミ・ダニなど病気の早期発見にもつながります。
毛玉は犬の皮膚に相当な痛みと負担がかかってしまいます。また、トリミングサロンで毛玉料金が取られてしまうこともあります。
愛犬と仲良くなりながら、健康管理もできる。そんな一石二鳥なブラッシングをぜひしてあげてくださいね。
牧羊犬について
ボーダーコリーは本来、人間のために働く「使役犬」として使われてきました。主に「牧羊犬」として広い場所で放牧している羊などの家畜の群れを誘導したり、見張りをするお仕事です。
ボーダーコリーは見た目が愛らしいので最近では「愛玩犬」として人気がある犬種ですが、もともとは人間と一緒に働くことに喜びを覚える犬種なのです。1日中広い土地を追いかけ回せるほどのパワフルなスタミナや、家畜たちの急な行動に対応できる瞬発力や洞察力があります。
そのため、お散歩中に自転車やバイクを見ると追いかけようとしてしまう、小さな子どもが走り回っていると興奮してしまうこともあります。もともとは牧羊犬なので、仕方のないことですが事故につながってしまうことになるので、しっかりとしつけをしてあげたいですね。
ボーダーコリーを飼う場合は、この特性を生かしてあげられるような、フリスビー遊びなどを取り入れてあげると、上手にストレス発散できると思いますよ。
驚くべきボーダーコリーの魅力!
ここまでいくつかボーダーコリーの魅力についてお話ししてきましたが、ボーダーコリーは知能や運動能力の高さから、
- アジリティドッグ
- ドッグダンス
などのドッグスポーツでも人気の犬種です。こちらはアジリティドッグの大会の様子です。
このスピード感…、驚きです。
次の動画は、ドッグダンスの大会の様子です。このボーダーコリーの愛らしさがとても際立っています。細かな動きは賢いなあ~と見入ってしまいますね。
ぜひ、1度見て癒されてください♪
ボーダーコリーの保護団体について
犬を飼おう!と思った時、多くの人はペットショップやブリーダーさんからの購入をイメージすると思います。
先述した通り、ボーダーコリーは飼育放棄が多い犬種です。
確かに子犬はかわいいし、赤ちゃんの頃から育てたいという気持ちも分かります。ですが子犬は環境の変化などで体調を崩したり、夜泣きやトイレトレーニング、いたずらなど…、目が離せない、手がかかることも多いです。
では成犬ならいたずらしないのかと言われればそうではありませんが、子犬よりは育てやすいかなとわたしは感じます。成犬からでは懐かないのではと思う方もいると思いますが、ちゃんと時間をかけて、愛情をもって接してあげれば成犬からでもちゃんと懐きます。
里親も、迎え方の1つの形なのではないかなと思います。
こちらの保護団体ではボーダーコリーの新しい飼い主さんを探す活動をされています。ボーダーコリーに詳しいプロの方から正しい接し方などを聞くことができるのも安心ですね。
気になる方はぜひチェックしてみてください。
ボーダーコリーレスキューネットワーク(BCRN)
http://www.newbcrn.jp/web/
ボーダーコリーは性格が悪い?まとめ
今回はボーダーコリーは性格が悪いのかということについてまとめてみました。
- ボーダーコリーの知能と運動能力は全犬種トップクラス
- 間違ったしつけや育て方をすると、その賢さが悪い方に向いてしまうこともある
- もともとは牧羊犬で、人間と一緒に仕事をすることに喜びを覚える犬種
- お散歩は量よりも質、神経を使ってストレス発散がおすすめ
- ボーダーコリーだからすぐにできる!という考えはせずにしつけは根気強く
- 換毛期の抜け毛は多め、こまめなブラッシングやお手入れが欠かせない
今回記事をまとめてみて、ボーダーコリーの性格が悪くなってしまうかどうかは育て方次第ではないかなと感じました。
犬と一緒に何かを楽しみたい!という方には、ボーダーコリーは最高の相棒になってくれるのではないかなと思います。この記事がこれからボーダーコリーを迎えようとしている人の参考になればうれしいです。